公益社団法人 東京都山岳連盟

創立70周年記念誌(2018年11月1日発行)  投稿
集中山行    東京野歩路会 代表 井上徹夫

本会の会報「山嶺」において、昭和4年1月に箱根集中と称して5コースの例会(例会とは会山行を言う)の記述がございます。東京野歩路会は創立者本多月光が大正9年に柳橋の地で柳橋山岳会を結成し、大正11年10月には東京野歩路会と改正して今年で96年と長きに続いています。会報も山嶺に改題して今日に至っております。

歴史を紐解くと昭和4年1月20日湯坂尾根と早雲山、雪の神山、明神岳越へ、長尾峠越え、強羅付近の5コースの例会開催後、強羅温泉倉田屋に集合したという報告がなされております。

戦後高度成長期に入ると、山小屋に集合しての集中山行、沢登りの集中山行、さらには草津スキー学校など多様な催しを開催してきました。21世紀に入り、会員はシニア世代の増加で形態も変わってまいりました。9月に1泊2日山行、12月に日帰り山行、2月はスキーの祭典と移行して、現在は4月に日帰り山行、9月1泊2日山行、2月ゲレンデスキーと山スキー合同のスキーの祭典を開催しております。以前は北アルプス、美ヶ原の山小屋のご協力で山小屋泊の集中山行を行ってまいりましたが、会員の高年齢化で残念ながら山の麓の宿泊施設に集合のスタイルに変わって来ております。普段の例会参加は、特定の係のみの会員もおりますが、いろいろな係の例会に参加する会員もおり人それぞれです。集中山行へのコース参加は、やはり人情で、普段から参加している係のコースに参加して、皆様旧交を温めているようです。このように会員諸氏はたくさんの例会の中からご自分の力量に合った山行に参加して楽しく安全な登山を楽しんでおります。

戦前から映写会、親しむ会等の催しを開催してきましたが、映写会の映像を参考にして次の山行を決めるスタイルは、ネット時代にはそぐわなくなったようで来場者は減少しております。また平日夜の集会「親しむ会」も同様で参加者は少なく悩んでおります。その分、年3回の集中山行は会員同士が一堂に会する催しで、山、スキーを楽しんで参加する会員の笑顔に会える貴重な時間となっております。